年金が破たんする経済学的理由と将来破綻しない理由

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年金 破綻

将来年金が欲しいけど制度そのものが破綻すると思っているあなた。現状、年金制度は破綻していますが将来的には破綻はしません

みなさんは、どこかで自分の年金は大丈夫と感じていると思います。経済学的に年金について整理していきたいと思います。

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プレイヤーが持っているインセンティブは?

Letter from vulnerable officers.Letter from vulnerable officers. / fukapon


年金が破綻するかどうかに関して影響を与えるプレイヤーは「年金制度を決めている政府」「年金を受給する国民」です。年金を実際管理しているのは、日本年金機構ですが、そこで勤務している人は管理をしているだけで制度の動向について影響を与えません。

一時、ずさんな管理が問題になりましたが年金が破綻するということと、役所の人が仕事をしないのとは別問題です。

政府は問題を起こしたくないと一番に考えている

政府と国民とのインセンティブを考えていきます。まず、政府が持っているインセンティブですが、実際政府という人はいませんので内閣を構成している政治家のインセンティブが政府のインセンティブになります。多くの政治家は、基本的には「お金」「権力」「保身」にインセンティブがあると考えられます。

年金制度は、以前から危ないと言われていましたが、政府はなかなか対策をとってきませんでした。5年に一度、年金制度は現状に即すべく改正されてきましたが、いずれも将来に対する見込みは甘く毎回予想以上に年金保険料が値上げされています。

つまり、その時の政治家が「自分がいる間」だけは、年金問題を炎上させたくないので将来の予測を甘めにして問題を先送りしているということです。

国民は支払った以上のお金が欲しい

一方、年金を受給する国民側のインセンティブは何でしょうか。国民は年金に対して思っていることは何でしょうか。国民が望んでいることは「将来の生活不安を解消したい、支払った額より多くもらいたい」ということです。老後の生活を安定させるのならば、民間の保険会社が提供している保険だけでは心もとない。もらうのならば、今までの年金受給者がもらっているぐらい欲しいと思っているはずです。

インセンティブをまとめると以下のようになります。

政治家 自分がいる間には問題を起こしたくない
国民 支払った保険料以上に年金を受給したい

プレイヤーが置かれているルールは?

年金 破綻

 

では、現状の年金制度はどういった状況になっているでしょうか。今の年金制度では、自分が支払った保険料は、すぐに高齢者への年金支払いに使われています。自分の口座に貯まって、運用されているというわけではありません。

単純に言うと、単に資金を移動させているだけということです。全体の金額自体は増えないことになります。100万円受取って100万円支払っているということです。

年金制度の過去・現在

年金 インセンティブ

三角の上が高齢者、下が若齢者

現在の年金制度は、自分より後にお金を出す人からもらうことを前提に、自分もお金を払うという仕組みです。人口が増え続けているうちは、「後の人」が沢山いますので問題ありませんが現在は減っているので新しくお金を出してくれる人がいません。

日本は少子高齢化がますます進んでいきますので、保険料を支払う人口が減る一方です。年金を受け取る人は増えるので制度としては破綻しています。しかし、政府は年金の半分弱を税金等で賄い、何とか制度を維持しています。

ただ、税金からの補てんは年間11兆円にも及び、これからも増え続けることが予想されます。そうなると、いつまでも足りない分を税金で補てんするというのは難しくなってくるでしょう。

資料 社会保障審議会年金数理部会「公的年金財政状況報告-平成25年度」

ルールをまとめると以下のようになります。

過去 人口が増加していたため保険料の徴収額よりも年金支払額を多くできた。
現在 人口が減少しているため、システムは破綻。現在は不足分を税金で埋め合わせしているが長くは続けれない。

均衡点はどこにあるのか?

国民は、年金は支払以上に多く受給したいと考えていますが、制度が置かれている状況を考えると無理があります。年金制度だけで見たら破綻していますから。

政治家は、この状況を放置していますので、事態は悪化する一方でしょう。このままだと、国民は相変わらず保険料より多い受給額を要求し続け、政治家は任期をしのぐだけで抜本的な解決にはならないことが予想されます。

均衡点

加入者が支払者よりも多い受け取りを望む一方で、加入者が減り続ける状況では破たんするしかない。

均衡点をかえるにはどうするか

では、年金破綻は避けられないのでしょうか。どうすれば年金制度が維持できるようになるか。経済学的な思考で考えると、プレイヤーのインセンティブやルールが変わればいいのです。

年金破綻をさけるための対策

インセンティブ

まず、プレイヤーである政治家や国民のインセンティブが変われば事情も変わります。政治家の場合は、政治生命を失ってでも「日本の年金問題を立て直す」と考える、また国民側は「保険制度を維持するためには受けるとる金額は支払った金額の半分にする」という考えが大半を占めるようになった場合制度が維持できます。

ルール

ルールが変わっても状況が変化します。仮に現状のような、右から左の資金移動ではなく、集めた保険料を運用して増やし、増えた分だけ受給額が増えるというルールに変われば年金の破綻はしないでしょう。1973年まではこの仕組みで運用されていましたので戻すのも一つの手です。

また、「税負担方式」に変更するのも一つの手です。消費税を財源にして、全国民から保険料を徴収し年金を維持する方法です。消費税で財源を確保するということは、不払いは無くなります。そして、国民はいくら支払ったか実質的に分からなくなり、あなたの年金は〇円ですと言われた時に得をしたのか損をしたのかよく分からなくなります。

経済学の観点から見ると、国民のインセンティブ(支払った以上にお金が欲しい)をごまかすことも出来るようになります。場合によっては、政府の事情によって支給額を変更することも出来るようになります。(国民にメリットはありません)

これらの変化が起これば、均衡点は変わり「年金破綻」という結果は起こらないということになります。変化しない以上は年金の破たんは避けられないでしょう。

年金制度は将来破綻しないのか

では、国は年金制度を変更しないで破綻させることはないのか。公的年金を破綻させると国は国民に最低限度の生活を保障するため、生活保護を約3700万人に支給しなければならないからです。生活保護を支給するということは税金から支給するということになるので全額国の負担になります。

生活保護を受けるまで、個人資産を取崩してもらったとしても、ざっくり20兆円は負担しなければならなくなるでしょう。(国民の給付額程は支払うものとして計算)現在の年金制度の国の負担額は約11兆円です。国が何もしなくて、年金制度を破綻させるということは、国の損失を増やすことになります。

資料 社会保障審議会年金数理部会「公的年金財政状況報告-平成25年度」

まとめ

最初にこのまま制度だったら年金が破綻する、しかし将来的には破綻しないといったのは年金制度を破綻させると国は余計にお金がかかるからです。また、切羽詰まると受給期間の延長や支給額の減少など対応をして制度維持をするのが目に見えています(ルールの変更をする)。経済学的には現在年金制度は破綻してますが、将来的には破綻しないでしょう。

これからは、年金だけをあてにするのではなく自分自身で年金に変わる収入を増やしていかなければなりません。30歳を超えたら投資もしていく必要があります。不動産投資に興味がある方は、以下のリンクから動画と情報誌を無料で受け取れますのでお試しください。

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